コージェネレーション(熱電併給)とは、石油やLPガス、LNGなどを燃料として、エンジン、ガスタービン等の内燃機関によって発電を行いながら、発生した廃熱も回収することで、高いエネルギー効率を得ることができるシステムのことです。
日本では略称の「コージェネ」または「熱電併給」と呼ばれ、海外では「Combined Heat and Power (CHP)」または「Cogeneration」と呼ばれています。
その中で都市ガス(天然ガス)やLPガス、バイオガス等のガス燃料を使用するものをガスコージェネレーションと呼びます。
従来の発電システムでは、エネルギー効率が40%程度に留まり、投入したエネルギーのおよそ60%が排熱として捨てられていましたが、ガスコージェネレーションは発生した排熱を給湯、空調、蒸気などに有効活用するため、ガスエンジン単体での運転と比べて、エネルギー総合効率を75%~85%まで高めることが可能です。
そのため、省エネルギー、環境負荷低減に大きく貢献すると共に、燃料費を大幅に削減することができます。CO2(二酸化炭素)排出量は従来の火力発電+ガスボイラーによる熱電供給と比べて、約36%もの削減が可能になります。
(一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター調べ)
このようなシステムは一般的にコージェネレーション(Cogeneration)や熱電併給システムと呼ばれていますが、「Combined Heat and Power」の頭文字を取った「CHP」という名称もよく用いられます。
コージェネレーションの導入は主に産業分野で進められていますが、最近は民生分野での導入も見られ、ホテルや病院、商業施設といった熱源の利用率が高い業種でコージェネレーションの活用が進むとともに、民生需要に合わせた小型のコージェネレーションシステムも開発されています。
また、国の政策としてコージェネレーションの推進が定められており、平成26年4月に閣議決定された「エネルギー基本計画」や、平成27年7月に公表された「長期エネルギー見通し」では、電源構成の多様化や災害対策としてコージェネレーションシステムの導入推進を図るとされています。
近年では内燃機関を使ったコージェネレーションの他に、低炭素社会実現の切り札となる燃料電池や再生可能エネルギー(太陽光・バイオガス・バイオマス)を活用したコージェネレーションシステムの開発も進んでいます。
バイオガスは下水処理場から発生する下水汚泥や、食品工場から発生する食品廃棄物、農業・畜産業から発生する畜産廃棄物・農業廃棄物などを原料とし、嫌気性微生物の働きによってメタンガスを発生させ、ガスコージェネレーションの燃料とします。